今日の花目次へ

今日の花6月目次へ

HOMEへ

写真はクリックすると1024×768ピクセルの壁紙サイズの画像がでます

カンパニュラ・メデューム

6月5日

キキョウ科カンパニュラ属 1年草
原産地 園芸種(地中海沿岸〜中近東)
花期間 5月〜6月
別名 ツリガネソウ(釣鐘草)
    フウリンソウ(風鈴草)
    ハンドベル ベルフラワー
ツリガネソウと名前のつくのは、ホタルブクロやツリガネニンジン、イトシャジンなどがあり、またカンパニュラの仲間の他の花も同様に呼ばれたりして混乱しやすいですね。

京都府立植物園にて

つめたいゼラチンの霧もあるし
桃いろに燃える電気菓子もある
またはひまつの緑茶をつけたカステーラや
なめらかでやにつこい緑や茶いろの蛇紋岩(じゃもんがん)
むかし風の金米糖(こんぺいとう)でも
wavelliteの牛酪(チーズ)でも
またこめつがは青いザラメでできてゐて
さきにはみんな
大きな乾葡萄(レジン)がついてゐる
みやまういきやうの香料から
蜜やさまざまのエッセンス
そこには碧眼の蜂も顫(ふる)へる

さうしてどうだ
風が吹くと 風が吹くと
傾斜になつたいちめんの釣鐘草(ブリューベル)の花に
かがやかに かがやかに
またうつくしく露がきらめき
わたくしもどこかえへ行つてしまひさうになる……

蒼く湛へるイーハトーボのこどもたち
みんなでいつしょにこの天上の
飾られた食卓に着かうではないか
たのしく燃えてこの聖餐をとらうではないか
そんならわたくしもたしかに食つてゐるのかといふと
ぼくはさつきからこゝらのつめたく濃い霧のジェリーを
のどをならしてのんだり食つたりしてるのだ
ぼくはじつさい悪魔のやうに
きれいなものなら岩でもなんでもたべるのだ


おまけにいまにあすこの岩の格子から
まるで恐ろしくぎらぎら熔けた
黄金の輪宝(くるま)がのぼつてくるか
それともそれが巨きな銀のラムプになつて
白い雲の中をころがるか
どつちにしても見ものなのだ

おゝ青く展がるイーハトーボのこどもたち
グリムやアンデルセンを読んでしまつたら
じぶんでがまのはむばきを編み
経木(きょうぎ)の白い帽子を買つて
この底なしの蒼い空気の淵に立つ
巨きな菓子の塔を攀(よ)ぢよう


山の晨明(よあけ)に関する童話風の構想   宮沢賢治

私たちは泣きながら生まれ、
不満を言いながら生き、
落胆のうちに死ぬ

          
トーマス・ヒューラー

前日へ      次の日へ       今日の花目次へ