峠は決定をしいるところだ。
峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている。
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする。

風景はそこで綴じあっているが
ひとつをうしなうことなしに
別個の風景にはいっていけない。
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける。

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい。
みちはこたえない。
みちはかぎりなくさそうばかりだ。
峠のうえの空はあこがれのようにあまい。

たとえ行く手がきまっていても
ひとはそこで
ひとつの世界にわかれねばならぬ。
そのおもいをうずめるため
たびびとはゆっくり小便をしたり
摘みくさをしたり
たばこをくゆらしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる。




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5月29日

カルミア

ツツジ科カルミア属
原産地  北米東北部
花期間 5月中旬〜6月
別名 アメリカシャクナゲ
またの名をハナガサシャクナゲといいます。蕾はまさに金平糖そっくりです。
明治45年に、東京市長尾崎行雄がアメリカにサクラを寄贈したお返しとして、大正4年に ハナミズキとともに日本に渡来した木として知られています。

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          真壁 仁

5月21日 河内長野花の文化園にて

つまづいたって 
    いいじゃないか
        にんげんだもの

  あいだみつお(「にんげんだもの」より)