糸車、糸車、しづかにふかき手のつむぎ、

その糸車やはらかにめぐる夕べぞ わりなけれ。

金と赤との南瓜(とうなす)のふたつ転がる板の間に、

「共同医館」の板の間に、

ひとり坐りし留守番のその媼こそさみしけれ。


耳もきこえず、目も見えず、かくて五月となりぬれば、

微(ほの)かに匂ふ綿くづの そのほこりこそゆかしけれ。

硝子戸棚(がらすとだな)に白骨のひとり立てるも珍らかに、

水路のほとり 月光(つきかげ)の斜めに射すもしをらしや。

糸車、糸車、しづかに黙(もだ)す手の紡ぎ、

その物思(ものおもひ)やはらかにめぐる夕べぞ わりなけれ。


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5月21日

シャクナゲ(石楠花)

糸  車      北原白秋

ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属 常緑低木
原産地 日本をはじめ世界中に分布
花期間 おおむね4月〜6月
 シャクナゲは北半球に広く分布し、パプアニューギニアやオーストラリアにも分布しています。これは鹿や羊が食べない植物であることも繁茂を助けていると思われます。日本には4種類ほどの系統のシャクナゲが自生しています。また、近年にはシャクナゲの人気が高まり、公園や寺院などに植えられるようになりました。
西洋シャクナゲと言われる園芸種が多種類花屋さんにも並んでいます。

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 ガーデンミュージアム比叡にて(5月14日)

石楠花に 手をふれしめず霧通ふ
                     臼田亜浪