沈黙と行動の間を
紋白蝶のように
かるがると
美しく
僕はかつて翔んだことがない

黙っておれなくなって
大声でわめく
すると何かが僕の尻尾を手荒く引き据える
黙っていれば
黙っていればよかったのだと

何をしても無駄だと
白々しく黙りこむ
すると何かが乱暴に僕の足を踏みつける
黙っている奴があるか
一歩でも二歩でも前に出ればよかったのだと

夕方のビアホールはいっぱいのひとである
誰もが口々に勝手な熱をあげている
そのなかでひとり
ジョッキを傾ける僕の耳には
だが何ひとつことばらしいものはきこえない

たとえ僕が何かを云っても
たとえ僕が何かを云わなくても
それはここでは同じこと
見知らないひとの間で心安らかに
一杯のビールを飲む淋しいひととき

僕はただ無心にビールを飲み
都会の群衆の頭上を翔ぶ
一匹の紋白蝶を目に描く
彼女の眼にうつる
はるかな菜の花畑のひろがりを



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ガーデンミュージアム比叡にて

5月9日

バーバスカム

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ゴマノハグサ科モウズイカ属 2年草
原産地  トルコ〜西アジア、南ヨーロッパ他
花期間  4月〜6月
英語名  マレイン(Mullein)
モウズイカ属は世界中に360種くらいあるそうです。ヨーロッパでは園芸種が数多くつくられ花壇などで広く使われています。花の雄蕊に細かい毛がびっしり付いているので、モウズイカの名前がつけられました。まっすぐに伸びた花茎に4cmくらいの花が下から咲き上ります。花色はピンク、紫、白、黄などがあります。

ビヤホールで    黒田三郎

糸きれし紙鳶(たこ)のごとくに
若き日の心かろくも
とびさりしかな

             石川啄木

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