このよるを
なみなみとグラスについで
さようなら!
くらい未来へ旅立つひとよ
わたしは過去のほうへでかける
わたしは君に石でできたランプを贈ろう
わたしにランプはいらない
なぜなら過去はとてもあかるいから

グラスのよるをのみほして
さようなら!
むかしはよかったというひとにも
わたしはわかれをつげる
そんなむかしではない
もっともっとむかしの
弥生の弦月を耳飾りにした
女性がわたしを待っている世界へ
くびれた腰に縄をまとう
にくづきのよい二つの甕に
くちづけするために

もういちど
よるをなみなみとグラスについで
さようなら!
わたしのすむ世界では
たれも自分を主張しない
しかしそこでは敵がよく見え
空腹があり
石の斧のような愛がある

もういちど
グラスのよるをのみほして
さようなら!
闇の未来へゆくひとよ
ランプが消えたらもどっておいで
所有者のない広大な土地と
かがやく獣骨のトマトと
わたしの墓標にともる
からすうりのあかりが目じるしだ



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4月20日

ヨウシュクモマグサ(洋種雲間草)

ユキノシタ科ユキノシタ属 多年草
原産地 ヨーロッパ北部
花期間 3月〜5月
別名 セイヨウクモマグサ(西洋雲間草)

花弁の先がピンクに染まり、可愛らしい花です。花全体が白い種や赤い種もあります。
日本の中部山岳地帯に自生し7月〜8月に咲く高山植物のクモマグサは栽培が難しく、花屋さんなどで流通しているのは、ほとんどがこのヨウシュクモマグサです。

さようならの歎語       原 子朗

 宇治市植物公園にて(4月16日)

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立ち上がってたたみなさい、君の悲嘆の地図を
      ウィスタン・ヒュー・オーデン(「二つの歌」より)

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