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服部都市緑化植物園温室のツバキ

12月17日

地上より消えゆくときも人間は暗き秘密を一つ持つべし   山崎 方代

一日昔の風が     永瀬清子

一日 昔の風が吹いて来て私を騒がせた
どこに今までさまよっていたのか
おそらく世界の涯までも流れていたのか
私は長らくお前には逢わなかった

それは荒々しく私の梢をめぐりゆるがし
昔の事を思い出さす
さびしくふるえがちな
一本の苗木であった時のこと
そのかげはほそく地上に描かれ
然しその時光をあびてみずみずしくのびようとした
そのころの事はまさしく私の年輪にしるされた
しかしそれは来る年々の表皮に被われてもう見えなくなり
内部にふかくしまわれていた
昔の風お前は私のまわりを行きつ戻りつして
入れて貰えない夜更の帰宅者のように私を叩く
そして昔の私を探す

おお私の中に埋もれている柔らかい木よ
おいでおいで外へ
私もすっかり忘れていたお前の指 お前の髪
昔の事はもう思うまいと思っていたのだ
神様が返してあげようとおっしゃっても
その青春を返して貰うまいと思っていたのだ
それは私の負けじ魂だったかもしれない
或は嫉妬であったかもしれない
お前は佳かった
お前はやさしかった
古い木の中にはまっているナイーブなものよ
もうすでに影をもたぬもの
今ある固い大きな殻のまわりで
昔の風がしきりにゆする つつき出そうとする
柵の中の仔を助けに来た山の母親のように
波のように騒がしてお前をとり出して行こうとする
はにかんでいるお前を
そして私の中に竄(かく)れようとしてるお前を

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大阪府豊中市服部都市緑化植物園にて
(12月3日)

ツバキ(椿)

ツバキ科ツバキ属
原産地 日本
花期間 12月〜4月
ツバキ属はツバキとサザンカに大きく分けられます。ツバキとサザンカの交雑園芸品種にカンツバキ(寒椿)系統があり、カンツバキはササンカと同じように花弁が分かれて散るので、見分けが難しいですが、カンツバキは八重咲きです。ツバキは江戸時代に愛好され全国各地で品種改良が進み、600種以上がつくられました。また江戸時代にヨーロッパに紹介されたツバキからは西洋ツバキとして多くの園芸種が作られ、日本に逆輸入されてきています。12月から咲き出す早咲き系のツバキも、写真の例のように数多くあります。