牛蒡はサクサクと身をそぎ
水にひたってあくを落す

ほうれん草は茹でこぼされ
あさりは刃物にふれて砂を吐く

私はどうすれば良い
ひたひたと涙にぬらし
笑いにふきこぼし
戦火をくぐらせ
人の真情に焙って三十年

万人美しく、素直に生きるを
このアクの強さ
己(おの)がみにくさを抜くすべを知らず
三十年

俗に「食えぬ」という
まことに食えぬ人間
この不味きいのちひとつ
ひとにすすむべくもなき
いのちひとつ

齢(よわい)三十とあれば
くるしみも三十
悲しみも三十

しかもなおその甲斐なく
世に愚かなれば
心まずしければ
魂は身を焦がして
滅ぼさんばかりの三十。


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1月16日

カンザキアヤメ(寒咲菖蒲)

京都植物園にて(1月11日)

アヤメ科アヤメ属
原産地 地中海沿岸
花期間 1月〜3月
寒中に大きな紫の花を咲かせますが、葉の中に埋もれるように咲くのが少し難点ですが、強い北風から身を守るためには仕方がありませんね。これから3月にかけて長い間つぎつぎに花を咲かせて楽しませてくれます。



  生活とは避けて清まるものならず
  在るがままにて身をさらすべし

                   大島史洋

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三十の抄       石垣りん


服部緑化植物園


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